セロトニンの症状を上回り
自律神経が高まるとき症状が出る

 では、「失調症」とはどういう状態を指すのでしょうか。

 前述したように、運動神経は自分の意志でコントロールできるものです。したがって、運動神経の失調とは、自分の意志より、過度であったり、不足であったり、その程度が失われている状態をいいます。一方の自律神経失調の場合は、自分の意志でコントロールできない自律神経の、その程度が失われている状態だと言えます。自律神経の場合は、不足とはならず、過度になることがほとんどと認識してよいでしょう。

 自律神経失調の場合、自律神経(交感神経と副交感神経)は正常な場合とどの程度、過度になるのでしょうか。イメージとして、表1に示しましょう。

具合悪いけど疾患ナシってどういうこと!?<br />俗に言う「自律神経失調症」の正体とは

 表にあるセロトニンとは、心の緊張を和らげる働きを持つ物質です。正常の場合のセロトニン、交感神経、副交感神経を±0としましょう。鬱病の場合、セロトニンが減り、心のバランスが崩れてしまいます。同時に、交感神経と副交感神経の働きも不足します。

 一方で、自律神経失調症の場合、重度ならセロトニンの量は変わらないものの、交感神経や副交感神経の働きが過度になります。

 セロトニンの効果を上回り自律神経が高まる時、体に自律神経の症状が出るのです。自律神経の活動がセロトニンのはるか上にあると、不快な症状として感じられます。

 上の表をみていただくと、鬱病と自律神経失調症においてセロトニンより自律神経が優勢であることが、理解できるでしょう。また、鬱病でも自律神経失調症でも、同じように交感神経と副交感神経の働きが上下されることも理解できます。

 ちなみに、鬱病はセロトニンが根本的に不足していることが多いので、内服薬に頼ることが多くなります。程度の差による症状の違いを表2に記載してみます。

具合悪いけど疾患ナシってどういうこと!?<br />俗に言う「自律神経失調症」の正体とは