退職後すぐに働けない人は
基本手当の延長手続きを

 2013年に労働政策研究・研修機構が発表した「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査」によると、1ヵ月以上の療養を必要とする従業員が出た場合に、「ほとんどが病気休職を申請せず退職する」「一部に病気休職をせず退職する者がいる」という企業は、メンタルヘスルの場合で18%、その他の身体疾患の場合で15%あった。

 サラリーマンが加入する社会保険は、自営業やフリーランスの人に比べて充実した保障が備わっているが、退職してしまうとその一切を失うことになる。できるだけ仕事を続ける道を探りたいが、病気の症状や進行具合によっては、どうしても退職せざるを得ないこともある。

 サラリーマンが退職すると、通常は雇用保険の基本手当(失業給付)の受給手続きをする。給付を受けられるのは、退職前の2年間に雇用保険に加入していた期間が通算12ヵ月以上あることが条件だ。

 1日あたりの受給額(基本手当日額)は、退職前の6ヵ月間の給与の総額を180で割った金額(賃金日額)に、年齢や賃金日額に応じた給付率(45~80%)をかけたものになる。給付期間は、年齢や勤続年数、離職理由に応じて90~360日間だ。

 退職時に会社から渡される離職票をもってハローワークで求職の申し込みをすると、受給資格の決定が行われる。手続きから7日間は待期期間と呼ばれ、その間に次の就職先が見つかった場合は支給されない。また、会社が倒産したり、会社の都合で解雇されたりした場合は、待期期間が過ぎると給付対象となるが、自己都合による退職は3ヵ月間の給付制限があり、それを過ぎると基本手当を受け取ることができるようになる。

 これが通常の流れだが、前述したように、雇用保険の基本手当は「働く意志と能力がある」人を対象としたものなので、病気やケガですぐに就職できない人は、仕事を辞めてもすぐに給付を受けることはできない。基本手当を受給できる期間は、退職した日の翌日から1年以内なので、療養している間に給付期間が終わってしまうこともあるのだ。

 ただし、救済策も用意されている。

 病気やケガ、出産などで、基本手当の受給期間内に働けない状態が30日以上続いた場合は、申請すると受給期間の延長をすることができる。

 延長できる期間は、本来の受給期間1年に加えて、最長3年間(合計4年間)。延長を希望する場合は、原則的に退職日の翌日から30日経過後の早い段階で申請する(ただし、延長後の受給期間の最終日までの間であれば申請は可能)。

 病気やケガで長期の療養が必要になり、すぐに失業給付の基本手当の受給申請ができないという人は、忘れずに延長の申請をしておこう。