自分のライフスタイルを
しっかりと持つこと
北欧のサマーハウスの不便さとは比較になりませんが、ある意味、私が暮らしているハワイもそう。
大きなスーパーはあるので生活雑貨や食料品などを買うのに不便はありませんが、たとえばトライアスロンの用具とか家具とか、専門的なものを買おうと思ったら一苦労。通販をするにしても、米国本土から取り寄せなければならないから、すごく時間がかかります。
本だって、日本のアマゾンなら今日オーダーして明日届くのは当たり前。でも、ハワイには拠点がないから、やっぱり最低数日はかかってしまいます。
日本では、かなりの田舎に行かない限り、10分も歩けば必ずコンビニがあるでしょう。でも、ハワイでマラソンのトレーニングをしていると、「ここから20キロくらいは一軒も店がないな」ということだってあり得ます。
ものすごく不便だし不安ではあるのですが、まあないならないで、考えて走るようになるものです。
そんなところで生活するのは絶対無理だと思われるかもしれません。でも今はモバイルなどの技術は飛躍的に進歩し、ことコミュニケーションという部分においては、場所を問わず格段に便利になっています。
そうしたデバイスを使いこなしつつ、仕事は徹底的に効率化して、不便な部分をあえて楽しむ。それが新たな刺激となり、満足の閾値を下げることにもつながります。
今こそ、幸せに対する価値観を変える必要があります。そのためには、自分のライフスタイルをしっかりと持つこと。
労働時間は短くなっても、より多くの成果を上げて、仕事もプライベートも満たされる。すべてがリンクしなければ、本質的な幸せにはつながりません。
北欧の人たちは、それがとても上手にできていると感じました。
「(理想のライフスタイルは)自由時間と仕事のバランスがとれているということ。愛しているから、楽しいから仕事に行く。それと同時に、プライベートもきちんとできている。郊外に家を持って、子どもがいて、静かに平和な生活をしていたいんです」
フレデリック・ディットレーヴ・オッテトロエルさん/デンマーク/製薬会社勤務
最終回は、北欧の「社会保障&制度」について、見ていきたいと思います。
※次回配信予定は6月27日(水)です。
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