セブンに反旗を翻した
オーナーの言い分

 コンビニの24時間営業は顧客のニーズでもある。

「一度便利な生活を味わったお客様は不便に戻ることを嫌がるでしょう。それに、そもそも24時間営業しているという“安心感”があるからこそ、お客様はコンビニを利用するのだと思います。仮に店舗によって営業時間にばらつきがあれば、お客様はいちいち、その店の営業時間を調べなければならず、その心理的負担からコンビニが利用されなくなってしまうことも十分考えられます」

 防犯という意味でもコンビニの24時間営業は求められているという。

「深夜の真っ暗な道を歩いていてコンビニの明かりがあると安心感がありますよね。各店は地元の警察とも連携しているため、何かあったときの駆け込み寺としての役割もあるのです。震災のときもコンビニが24時間営業だったからこそ、多くの人命が救われたといっても過言ではありません」

 一方で、店舗側の主張は異なる。本部から1700万円を請求されたセブン-イレブン東大阪南上小阪店のオーナー・松本実敏氏は、時短営業を始めるようになってから、売り上げは減ったものの、利益は上がったという。

「これまで本部は『24時間営業で売り上げを伸ばせば、オーナーの利益も上がる』と私たちに言ってきましたが、それだと人件費を一切見ない本部だけがもうかるということです。今年2月に見切り販売(消費期限が迫った商品を値引きすること)と時短営業を始めたことで、同月の利益は前年比43万円アップ、3月は21万円アップしました」

 そもそもなぜ松本氏は、本部と争ってまで時短営業を始めたのだろうか。

「昨年、私は妻をがんで亡くしました。店が忙しかったため、妻は亡くなる1ヵ月半前も店で働いていました。妻が動けなくなる2週間前には、本部の人も1週間ほどシフトに入ってくれましたが、そのときは本当に感謝しましたね。ところが、(葬儀のときを除いて)本部からはそれ以上のサポートはなく、職場と病室を往復する日々が続きました。そのときの自分と同じ思いを他のオーナーさんにしてほしくないからこそ、私は時短営業を強行したんです」