「正しさ」と「危うさ」を見極め
フレームワークに振り回されるな

 以上、3つのフレームワークを示してその「正しさ」と「危うさ」を述べてきたが、企業ではこれ以外にも、さまざまなフレームワークが使われている。「競争の基本戦略」「5つの競争要因」「ブルーオーシャン」「バリューチェ-ン」「STP+4P」「ポジショニング」「コア・コンピタンス」「VRIO」「PDCA」「MECE」などが挙げられる。

 これらのフレームワークも、正しい使い方をしないと、単なる前置きや儀式になってしまう一方、作成者の意志がどこに入るかを熟知しておくことは、「フレームワークに騙されない」ためにも必要であろう。

 さらにフレームワークを日常使いこなしている方々には、「『シナジー効果』という日本語は間違い」、「マズローは欲求のピラミッドの図を描いていない」、「アンゾフ・マトリックスの縦軸は『市場』ではなかった」「VRIOのIはInimitabilityではない」という話には、驚かれるかも知れない。

 読者諸氏は、こうしたフレームワークの「正しさ」と「危うさ」を知った上で、フレームワークに振り回されることなく、上手に使いこなしてほしい。

(早稲田大学ビジネススクール教授 山田英夫)