中国でモノを売るためには、フィールドマーケティング(店頭販促)が欠かせない。中国の消費者の気持ちは移ろいやすいため、店頭で「買おうかな」というサインを見逃さず、一気に売り込み、購買に繋げることが、販売数を増やす最大のコツとなる。しかし、単に店頭販促をやれば良いというわけでもない。地域や都市の発展度合い、男女、所得、顧客の職業などのターゲットとなる顧客層に応じて、戦略を変える必要がある。フィールドマーケティング(店頭販促)の最大手、オールウェイズ社の梁桂泉総裁に、中国でのフィールドマーケティング(店頭販促)事情について伺った。
「ラスト1メートル」を
繋ぐのが店頭販促の役割
――中国では「フィールドマーケティング(店頭販促)」が重要な役割を果たしているようですね。
マーケティング活動を「消費者(Consumer)が買物客(shopper)として店舗を訪問し、買物客(shopper)が実際に商品を買う購入者(buyer)になる」というプロセスで考えた場合、消費者(Consumer)を買物客(shopper)に変えるのがTV広告のようなマス広告、そして「買物客(shopper)を購入者(buyer)」に変える役割を担うのが「フィールドマーケティング(店頭販促)」です。
中国では、お客様の67%が来店前に買おうと思っていたブランドとは異なるブランドの商品を実際には購入しているという調査結果があります。アメリカでは同じデータが30%程度であることを考えると、中国でのフィールドマーケティングの重要性が分かると思います。つまり、マス広告だけやって安心してはいけないのです。広告を見た消費者や買物客は店頭で買う商品を変えるかもしれないからです。我々は「ラスト1メートル(お客様がどの商品を買い物かごに入れるかを決める腕の長さ)」のところで勝負しています。
――日系企業の多くは中国での店頭販促がうまくいっていない印象があります。その理由はなぜだと思いますか?
日系かどうかにかかわらず、中国では多くの国際的な企業が店頭販促で成功していません。その一つの原因が、フラットな対応をしていることです。つまり1つのソリューションを全てのフィールドに適用していることに原因があると思います。日系企業の場合には、日本での成功体験を中国に持ってきて、そのまま一律に適用している例も少なくないようです。