今秋、実施される新ルールの大きなポイントは2つあります。1つは解約の違約金の上限を、これまでの9500円(キャリア大手3社で途中解約の場合)から1000円に引き下げること。もう1つが、セット販売される携帯端末の値引きの上限を2万円とすることです。この2つのルールが導入されると、キャリア各社の競争はどう変わるのでしょうか。

 政府が期待している変化のうち、たぶんその通りに起きるのは途中解約の増加でしょう。これまでスマホユーザーの途中解約率は、キャリア3社とも1%未満でした。途中解約のペナルティが高いので、みんな2年間ずっと使い続けていたわけです。こうした状況が変わるはずです。

 新ルールが過去に契約した人にも適用されるのかどうか、まだ最終決定していない段階ですが、仮にこれまでの契約で9500円の違約金で縛られていた人が1000円で解約できることになれば、途中解約がしやすくなるので、解約率、つまり乗り換える人の比率は自然と増加するはずです。

端末乗り換えから契約乗り換えへ
「乗り換え」を促す安いプランが登場か

 その際に利いてくるのが、実はセット販売の端末値引きが2万円までに減ってしまうという条件。つまり、実質的に新端末が大幅値上げされることの影響です。

 よってユーザーは、これまでのように「新端末がとても安く手に入るから、2年ごとに発生する契約変更可能月に端末ごと乗り換えよう」という行動ではなく、「今の端末のままで、より安いプランに乗り換えよう」という行動をとり始めるはずです。

 では、ユーザーに乗り換えを促すような安いプランが今以上に出てくるのか。その可能性はあります。引き金となるのが、今年10月に予定される楽天の新規参入です。「新規参入の楽天は、既存のキャリア3社よりもお得なプランを用意して業界参入するだろう」というのが政府側の読みであり、おそらくその通りになるでしょう。

 そこで迎え撃つ3社も対抗プランを用意し、競争が起きるわけです。そして、端末の値引き額の上限が2万円になるということは、それだけ端末補助金が節約できているわけなので、3社にとっては対抗値引きのための財源ができる。こうしてキャリア4社の競争で、スマホの料金は下がっていくだろうというのが行政の側の読みというわけです。