うつぶせで呼吸しようとすると、顔を必ずどちらかに向けなければなりません。
 首を伸ばした状態になっているので、そのまま何時間も寝てしまうと首に負担がかかる可能性があります。
 また、マットレスの加減にもよりますが、うつぶせの姿勢になると、反り腰の人はそれがさらにきつくなるという人もいるでしょう。
 そういう人は特に、長時間うつぶせにならないように注意してください。

 私としては、うつぶせは柔らかすぎず、できるだけ硬めの場所で行うことをおすすめします。
 特に、うつぶせになるのが大変な高齢者が、柔らかい布団や低反発の沈み込むようなマットレスの上でうつぶせになろうとすると、手がぐらついて、より筋力が必要になってきます。
 当然、無理をすれば手首を痛めやすくなります。

 年齢が若く、健康な人にはまったく問題ありませんが、普段うつぶせにまったくならないという人や高齢の方は無理をせず、慎重に行っていただければと思います。

岡田欣之 (おかだ・よしゆき)
整形外科専門医、医学博士。医療法人社団岡田整形外科おかだ整形外科理事長。
杏林大学医学部卒業。神戸大学大学院医学系研究科整形外科学講座博士課程修了。神戸大学医学部整形外科学教室入局、国立病院機構神戸医療センター、国立病院機構兵庫中央病院、兵庫県立がんセンター、六甲病院、六甲アイランド病院、公立和田山病院などの関連病院を経て2011年より兵庫県立西宮病院医長。2017年より現職。

 正しいうつぶせのやり方、注意事項、さまざまな効果、うつぶせを応用した簡単なエクササイズは、『うつぶせ1分で健康になる』をご覧ください。
 また、本書ではうつぶせになることが難しいという人のための半うつぶせ姿勢(半腹臥位・はんふくがい)も紹介していますので、参考にしてみてください。