お金の勉強会
日本人の多くは、自分の老後資金についての知識が十分ではありません Photo:PIXTA

金融教育の不足が無用な不安の源

 金融庁の「老後2000万円」報告書が話題となり、驚いたり怒ったり不安を感じている人も多いようだ。しかし、報告書に書かれている内容は当然のことであり、専門家たちの間ではむしろ世間の反応が意外に感じられているようである。

 報告書に反応する人が多いということは、人々がいかに自分の老後資金について知らないかを示している。だから、国も学校も、金融教育をしっかり行って、人々が無用な不安を抱かないように、そして自分の老後資金の問題に向き合えるように、手助けする必要がある。

 しかし筆者は、金融教育を行うインセンティブを最も持っているべきは企業だと考えている。そこで本稿は、企業経営者や人事担当者等に対し、社員への金融教育をおすすめしたい。

金融教育は安上がりの福利厚生

 社員のために住宅手当や配偶者手当等を支払うには、多額のコストが必要だ。しかし、社員を対象とした金融教育にはコストがほとんど必要ない。しかも、社員の幸福には大きく寄与できる。

 まずは老後資金に関する不安の源である「知識不足」を補ってあげることで、社員に安心を与えられる。次いで、老後資金をどう蓄えるか、考える機会を与えられる。

 サラリーマンの多くは、仕事に関する知識は豊富でも、自分の老後資金に関する知識は不足している場合が多い。だからこそ、会社にとってはわずかなコストで社員に大きなメリットを与えられるはずだ。