片づけブームが生む誤解(2)
「物を減らさないとダメ」と思い込む

 例えば、テレビ番組でよく見かける片づけ企画は、視聴者が楽しめるよう、成果をわかりやすくアピールするものばかりです。

 片づける前の家は、物の多さや物がしまわれていない様子にフォーカスが当たって面白おかしく紹介されるため、片づけらない人は「わが家も同じだ」「これは笑われても仕方がない、恥ずかしいことなんだ」とコンプレックスをかき立てられてしまいます。

 そして、片づけ後には、「捨てた物の量がゴミ袋〇袋、トラック〇台分」「こんなに要らない物がありました」という物を減らした部分に注目が集まります。それは、物が極端に減った家の中は視聴者から見ても明らかにスッキリしていて、成果がわかりやすいからです。視聴者はそれを見て「片づけとは捨てること」「捨てられなければ片づかない」という思い込みを強くしていることでしょう。

 ですが、私の経験に照らし合わせてみると、作業で出た不要品の量はそこまで多くはなく、部屋の変化がもっと地味でも、成果を実感できる整理・収納術が必ずあります。

 テレビのように、わが家の片づけをジャッジする「視聴者」はいません。存在しない誰かの目を気にする必要はありません。「自分自身の納得感」を何より大切にしてください。

 テレビの片づけ企画は1つのショーです。見るときには「どれだけ物が減らせたか」ではなく、「そこに暮らす人の『大切な物や時間』がどのように変化したか」という視点を持つと、これまでとは違った受け止め方ができるようになります。