利益にはいろいろな種類があるが、最初に注目すべきなのは本業のもうけを示す「営業利益」だった。このことは、前回の「本業のもうけを増やした会社ランキング」で確認している。営業利益は、「売上高」から「売上原価」と「販売費および一般管理費」(販管費)を引いて計算したものだった。この金額の多寡から、商品やサービスの力や、社員の営業力が推定できた。

 今回は逆に「本業のもうけを減らした会社ランキング」を見てみよう。2018年度の営業利益から、17年度の金額を引いて算出した。

もうけを2500億円以上減らした日産自動車

 1位は、元会長のカルロス・ゴーン氏による不正で、経営が混乱している日産自動車。同社は、営業利益を前年度比で2565億円も減少させている。

 日産は、米国での販売が深刻な状況に陥っている。ゴーン時代にシェア優先で販売奨励金を積み増したが、値引き頼りの拡大路線で採算が悪化してしまったのだ。

 日産は現在、台数重視の営業戦略を転換している最中だが、これまでのところ業績を回復する道筋を示せていない。19年度の営業利益も、前年度比で減益の2300億円を見込んでいる。3000億円を割り込む低水準は、リーマンショック後の決算以来だ。

 ワースト20の中には日産のほか、3位のSUBARU、4位の本田技研工業、10位のマツダ、15位のスズキと、自動車大手のランクインが目立った。