初対面でも、自己紹介せず「対話」が始まる

 哲学カフェは日本各地に大きく広がっていると述べましたが、それぞれの哲学カフェごとにさまざまな個性があって、本当に多種多様です。運営者の考えや「哲学」に対する捉え方によって、カフェの個性が作られていきます。また同時に、集まる参加者によってそのカフェの「色」が作り出されるという側面もあります。「カフェ」と銘打っていますが、実際には、公民館や大学の教室、レンタルスペースなど、喫茶店以外で開催されることも多いです(その場合でもたいていは、飲み物を片手に対話できるような配慮がなされていますが)。

 比較的多くの哲学カフェに共通するのは、次の3つです(ちなみに、カフェ・デ・ファールでおこなわれたソーテの哲学カフェでもそうだったようです)が、これも絶対ではありません。

(1)参加費や会費を取らない(飲み物代や会場費などの実費は除きます)
(2)参加者同士の自己紹介はしないまま始める
(3)途中での入退室は自由である

 自己紹介をしないまま始める哲学カフェが多いのは、自己紹介をするとお互いに相手の立場や社会的な属性がわかるので、自由な発言がしづらくなるからです。たとえば、目の前に座っている人が経済学の大学教授であると知ったら、その人に向かって経済についての意見を自由に言うのは、やはりはばかられてしまうでしょう。

 哲学カフェの運営者や扱うトピックも多種多様です。興味のある方は、「カフェフィロ」や「哲学カフェ・哲学対話ガイド」のウェブサイトにぜひアクセスして、気になる哲学カフェを見つけて足を運んでみてください!