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夏場のスーツに賛否
営業職にはメリットもあるか?

 ハイヒールやパンプスの健康被害といえばマメ、アザ、外反母趾(がいはんぼし)などが考えられるが、スーツの健康被害は主に夏場の暑さである。発汗著しかろうが脱ぐことを許されず、最悪の場合、脱水症状が想定される。

 休日は半袖短パンで過ごしているところ、いざ出勤となれば猛暑の中でも下着のTシャツ、ワイシャツ、その上にジャケットを羽織り、ネクタイで体温を首から下に閉じ込めなければならない。冷静に考えると正気の沙汰ではないがビジネスにおいては常識中の常識であり、慣習をきっちり順守してきたビジネスマンたちは立派であった。しかし「やはりこれはまずいだろう」ということで節電に便乗する形でクールビズが浸透し始めて、あか抜けた企業を先駆けとして、日本の男性勤め人は夏場ジャケットの呪縛から解き放たれつつある。

 ジャケットの着用は職種にも大いに関係している。外でお客さんと会うのが仕事の営業職は、フォーマルさを表すためにジャケットの着用がほぼ必須となる。

“スーツが苦痛”と答える人たちは、やはり夏場の着用を問題視しているようであった。

「体に張りつくし塩ふくし、夏だけは営業といえど、勘弁してほしい」(Eさん/36歳男性/営業)」

「外回りはただでさえ体力使うのに、スーツの熱さでさらに体力が削られる。子どもの頃から夏が嫌いだから、社会人になってから毎年夏がさらに憂うつ」(Fさん/40歳男性/営業)

 そんな中、一風変わった意見があった。