異なる対北朝鮮アプローチ
日米韓の連携関係作れず

 第3の要因は北朝鮮問題だ。

 北朝鮮問題で日韓が同じ方向を向いているときは、日韓がお互いから離反していく可能性は減る。

 2001年に小泉政権が誕生し、近隣諸国との間で靖国神社参拝を契機に過去の歴史問題が再燃した時に、日韓関係が大きく崩れなかったのは、小泉首相の北朝鮮訪問があったからだ。

 当時、韓国の金大中政権は太陽政策の下、南北首脳会談を実現させ対北朝鮮融和政策をとっていた。北朝鮮に強硬なブッシュ政権とは相いれなかったが、韓国の孤立を救ったのは、小泉首相の訪朝だったのだ。

 韓国は小泉首相の北朝鮮訪問と、日朝ピョンヤン宣言を強く歓迎した。

 その後、北朝鮮に対して是々非々を唱えた朴政権と対北朝鮮圧力路線をとる安倍政権は米日韓の強い連携関係をつくった。

 ところが現在の文政権は対北朝鮮融和政策が目立ち、引き続き慎重な路線をとる安倍政権との間は大きな溝ができている。北朝鮮問題についてのアプローチの大きな違いは、日韓関係の停滞につながる。

 本来、北朝鮮核問題は米朝首脳会談を軸に動いているわけだし、米国が日米韓の連携を維持する努力を行うべきなのだろう。しかしトランプ大統領は「アメリカファースト」の取引的アプローチにしか関心がない。

 北朝鮮の非核化問題は、仮に米朝首脳会談で一定の合意に達し成果が上げられたとしても、実際に非核化を実現するまでは、関係国の協力の下での相当長い時間を要するプロセスにならざるを得ない。

 もし今後、米朝の実務者の折衝で非核化と平和体制構築のロードマップ的な考えが煮詰まっていくとすれば、その時こそ、日韓が能動的に協力していける好機になるのだろう。

 韓国の南北融和に向けた外交プライオリティーと、日本の掲げる拉致・核・ミサイルの包括的解決の目標が合致する時がくると思う。

外交当局の動き見えず
首脳の直接対話で打開を

 日韓関係悪化の背景を織りなす3つの要因が直ちになくなるわけではない。だとすれば、このまま日韓の不信の構図は続き、論争や対立が国際舞台に拡大していくのを放置していいのだろうか。

 輸出管理厳格化をめぐるWTOでの協議や米国を巻き込んでの論争が続くとしたら、日韓には2国間での問題解決能力がないことを世界に露呈していくことになる。

 日本の外交のあり方としてそれは避けるべきだろう。