日本の普通高校でもここまでできる
デザイン思考を取り入れた青翔開智中学・高等学校の取り組み

「学校では紹介してもらえない最先端の学校」というタイトルの記事だが、最後にあえて、日本の普通高校でもここまでできる、という事例をご紹介したい。

鳥取県にある青翔開智中学・高等学校ではデザイン思考のコンセプトを取り入れた探究学習プログラムを採用し、中学1年から高校2年まで毎年、地域の課題解決をテーマにしたプロジェクトが行われている。数学などでは、学習アプリなどを利用した個別学習を用いて、「情報技術を学ぶ」のではなく「情報技術を活用して学ぶ」授業が用いられている。また、こうしたアプリが利用できない教科でも、学生が自らの学習理解度を定性的に評価する「ルーブリック」と呼ばれる方法を採用し、教員が学生への個別指導をより効果的に行える仕組みを導入した。

デザイン思考は、授業や教授法だけでなく、校舎の設計にも取り入れられている。この学校には図書館や図書室をつくるのではなく、学校が図書館の中にあるようなつくりになっている。校舎に入るとラーニング・スペースがあり、共同作業ができるだけでなく、参考文献も利用できる。また、階段や廊下の柱にも図書やファイルの収納スペースがある。毎年ここに、高校2年生ひとりひとりが1年間かけて行った探究学習の報告論文(約1万字)が蓄積されていく。

校舎を設計する責任者であった織田澤副校長は、「課題図書を借りたり、テスト前に自習したりする場所」だった図書館を、「生徒の知を保管し、次の生徒がそれを活用する、知が循環する場所」としての図書館の本来の機能を再設計することを重視した、という。