食品の粗利益率は25~30%が一般的で、この粗利益率でさらに物流コストをかけて、売り場で商品をピックアップする人員を配置するなどコストを積み重ねっていったら到底、採算が合うはずもない。

 一時期、イトーヨーカ堂のネットスーパーが黒字化したという話が聞こえてきたが、それも物流コストが上昇している現在、利益が出ているかどうか。

 だからアマゾンのアマゾンフレッシュでは、粗利益率の高い生鮮食品などで、有力専門店を導入して粗利アップを目指しているし、最近では食品スーパー大手のライフコーポレーションがアマゾンの会員向けサービス、プライムナウに出店、アマゾンは会員向けサービスの一環として食材宅配の収益性や生鮮食品・総菜のニーズがあるかどうかを調査するとみられている。

宅配のネックになっている
物流コスト

 大手のスーパーなどが展開するネットスーパーは配送料を従来、5000円の買い物で無料としていたところも最近になって一律300円を徴収したり、ネットで注文した商品を自社店舗で取り置くことで、店舗での受け取りは無料にしたりと苦肉の策で穴埋めしている。

 ネットスーパーなど個人向けEC宅配をこのまま、物流費が上がるがままに、さらに宅配料を引き上げ利用者に負担をしてもらうようにしていったら、市場が広がる前に、ECの市場自体が沈没しかねないリスクもはらんでいる。

 宅配のネックになっている物流コストだが、周知のように、昨年ヤマト運輸が大口顧客向けに大幅な値上げ、一説には20%以上の値上げを実施し、もうからないビジネスがなおさら、もうからなくなっているのが現状だ。

 物流コストはドライバーの高齢化や人手不足で上がることはあっても今後、下がることは考えられない。

 このための解決方法は「二つしかない」と指摘するのは、あるシンクタンクの研究員だ。どういうことか。「この先、宅配ビジネスは店舗をうまく活用するか、もう一つは高粗利益率の商品と低粗利益率の商品をいかに組み合わせて販売するか」が成功に導くカギを握っているという。

「店舗を活用する」では、米国でアマゾンと激しくシェア争いを演じているウォルマートが一つの方向性を示している。