対談前半の『あ・うんの呼吸はもう通じない⁉︎ 岐路に立つ日本の「ザ・職場」』で、日本特有の終身雇用や年功序列に紐づいた「職場のあり方」が岐路に立っていると語り合った麻野耕司氏(リンクアンドモチベーション取締役)と中原淳氏(立教大学教授)。対談の後編では、チームと組織開発の現状と今後について話が進んだ。(構成:間杉俊彦、写真:大崎えりや)

働き方が多様化する時代に、チームを動かすための方法とは?

チームをまとめる技術を
学ばないできた

中原:立教大学経営学部では、大学1年生、2年生向けの「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」という授業があります。400名弱の学生が、チームで課題解決にひたすら取り組む授業です。このプログラムに、1年前からデータアナリティクスラボという専門チームを立ち上げました。田中聡助教らが学生らを巻き込み、それぞれのチームが課題解決のなかで、どのような経験をして、どのようなアウトプットをしているかを分析しています。このデータをチームや授業メンバーに返していきながら、自分のチームを立て直すことを学ばせています。要するに、「自分で自分のチームを組織開発し、立て直す経験」を私たちは大学1年生、2年生から持たせているのです。