ご飯をたくさん食べる村は短命!
昔から変わらない日本全国の健康分布

 白米の食べ過ぎが短命につながることは、昔も今も変わっていません。

 1972年に『日本の長寿村・短命村』(サンロード)という本が刊行されました。著者の近藤正二医学博士が1935年から36年もかけて日本中を歩いて、長寿の村や短命の村の生活様式を調べた結果をまとめたものです。

 近藤博士が大きなリュックを担いで険しい山道を上り下りしながら990もの町村を訪ね、しばらく滞在して自分の目で確かめるという方法で導き出された結論の1つが「ご飯をたくさん食べている村は短命だ」というものでした。

 糖質制限という言葉が認知されつつある今日ならまだしも、当時としては画期的なことと言えます。

 でも、その研究結果について、たいていの専門家は「ご飯ではなく、おかずとして食べている塩辛い漬物などが悪いのだ」と一蹴したのではないかと思います。当時は、塩分の過剰摂取で高血圧になり、脳卒中で亡くなる人がたくさんいましたから。

 一方で、「ご飯を食べ過ぎるとどうなるか」について、それまでほとんどの人たちは考えてきませんでした。

 しかし、今ははっきりわかっています。ご飯をたくさん食べれば、血液中にブドウ糖が溢れ、つまりは血糖値が高くなり、健康を著しく害します。