中国は1億人超!
糖尿病患者激増は糖質の摂りすぎの代償
2012年に世界的に有名な医学誌『BMJ』に公開された、ハーバード大学の研究チームによるデータ分析によれば、白いご飯はとくに2型糖尿病のリスクを高めることがわかっています。玄米と比較して、白米にはマグネシウムや食物繊維も少ないことが、その原因ではないかと考えられます。
しかも、同じ量の白米を食べても、その危険性は欧米人よりもアジア人のほうが高いということがわかりました。白米をたくさん食べる人は、そうでない人に比べ、アジア人ではは1.55倍、欧米人では1.12倍の割合で糖尿病になりやすいという結果が出たのです。*1
2017年の『Diabetes Care』に中国人の食生活の変化と糖尿病の激増についての研究結果が発表されました。*2
中国には今、1億人を超える糖尿病患者がいます。その原因について、1位は肥満、3位は運動不足ですが、2位は全粒穀物摂取が少ないこと、4位が精製穀物摂取が多いこととなっています。中国人は、日本人以上に白いご飯が大好きですし、餃子や饅頭の皮、麺類も白い小麦粉でつくられたものを多食しています。その結果が、1億人の糖尿病患者をつくりだしていると思われます。
もっとも、人口を考えたら日本でも同じことが起きていると言えます。私が医者になった頃(40年前)、日本の糖尿病患者は80万人くらいでした。リウマチ患者とほぼ同じ数字で、高血圧と比べたら、ひどくマイナーな病気でした。ところが、今は1000万人です。
いかがでしょうか。「白米はご先祖様も食べていた日本人のソウルフードだから、積極的に食べて大丈夫」などと思い込んでいたら、今日からリセットしてください。
『医者が教える食事術2 実践バイブル』では、他にも「食の嘘」をたくさん紹介しています。もし謝った常識を正しいと思い込んでいたのなら、本書を参考に思い込みや長年の習慣に拘泥せず、修正していってほしいと思います。
(この原稿は書籍『医者が教える食事術2 実践バイブル――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)
*1 BMJ 2012;344:e1454
*2 Diabetes Care 2017;40:1685-94