「過剰なノルマが生産性を上げる」という米国流目標設定の落とし穴
皆さんの職場では「過剰なノルマ」を要求されていないだろうか…?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

かんぽ生命の不適切な保険販売問題で、保険の乗り換え時に顧客が不利益を被る事例が多数見つかり、話題になっている。そこには、「過剰なノルマ」で締めつけられ、契約者を騙してでも販売をしなければならない局員の苦悩が滲み出ている。このような事態に陥るのを防ぐには、どうすればよいのだろうか。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

 かんぽ生命による保険の不適切な契約の問題が発覚、連日メディアを賑わせている。保険の乗り換え時に顧客が不利益を被った事例が多数見つかり、不適切な保険契約が常態化していることが明らかになったのだ。

 ニュース報道を見ていると、現職の局長を含む郵政グループ関係者から多くの内部告発が新聞社に寄せられたとされ、ネット上に内部告発サイトまで登場した。そこには、過剰なノルマで締めつけられ、良心の呵責に苛まれつつ、高齢者を騙すような販売をしなければならない局員の苦悩が滲み出ている。

 なぜこんなことになってしまったのだろうか。どうしたらこのような事態に陥るのを防ぐことができるのだろうか。

営業成績のみで評価すれば
企業の不正を生みやすくする

 最近、とても達成できるとは思えない過剰なノルマに喘いでいるといった話をよく耳にするようになった。

「こんなノルマ、とても達成できるわけない。やってられませんよ」と吐き捨てるように言う者もいれば、「なぜこんな無理な目標を押しつけてくるのでしょうか?」と疑問を投げかけてくる者もいる。

 そこまで切羽詰まった話ではなくても、前期の実績から相当かけ離れた高い目標を設定されてしまったという声をしばしば耳にする。