カカオ分が75%以上のチョコを選ぼう
もし、チョコレートを食べてニキビができたのなら、その犯人は脂質ではなく糖質です。糖質の多いチョコレートを選んだことが失敗なのです。
チョコレートの原料となるカカオは、ポリフェノールが豊富で高い抗酸化作用を持っており、悪者ではありません。だから、チョコレートは表示をよく見て、糖質が少なくカカオ分が高いものを選ぶのが正解。具体的にはカカオ分75%以上だと糖質はかなり少なくなりおすすめです。
同様の理由で、ナッツを食べたらニキビができるというのは誤解。ニキビや吹き出物に悩んだら、糖質を減らすのが一番です。
『医者が教える食事術2 実践バイブル』で繰り返し述べていますが、私たちが口から食べたものは、すべて消化・吸収のレールに乗り、その過程でさまざまに形を変えます。そこを理解しないと、本当に健康にいい食事は摂れません。
夜食の白米で血液ドロドロに
中性脂肪が気になるなら糖質から減らす
そういう意味では、私たちを太らせる原因である糖質は甘いものだけではないということも覚えておいてください。私の患者さんの印象の残った事例を紹介します。
私の患者さん(40代・女性)の血液検査で、ある日の中性脂肪の値が1万を超えてしまいました(基準値は30~149mg/dLとされています)。その影響で、いくつかの検査について「検出不可」になりました。
血液検査では、採取した血液を遠心分離機にかけて、上澄みの部分を使用しますが、あまりにも中性脂肪が多いとそれが白く濁ってしまうのです(医学的には乳びと言います)。
どうして、こんなすさまじい数値が出たのか。話を聞くと、検査日の前の晩遅くに、いただきものの明太子があって、それで白いご飯を食べたら美味しくて、何杯もおかわりして食べてしまったそうです。
「甘い物を食べたのでもないのに……」と本人は驚いていました。しかし、白米のような糖質を摂ると、6~7時間後には中性脂肪がつくられます。それが見事に反映されたのです。
つまり、検査していないからわからないだけで、炭水化物(=糖質)に偏った食事をしている人は、中性脂肪が高い状態が多分に起きているということです。
夜食に糖質の多い丼物やラーメン、デザート類など食べる機会が多い人は、すぐにその習慣を改めましょう。
(この原稿は書籍『医者が教える食事術2 実践バイブル――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)