愛知の水質の汚さは奥まった湾にある影響大

 愛知県はなぜ水質の悪い海水浴場が多いのか。愛知県は人口が全国で4位である。自動車産業の一大集積地で、有力なメーカーが多いのも特徴だ。

 前回確認したが、海の汚れは基本的に陸上から流れてくる。人が住んでいれば、ある程度の生活排水や工場排水などが発生するため、海流で汚れた水が入れ替わるかどうかが重要なポイントだった。

 水質に詳しい国立研究機関の研究官は「愛知県で水質の悪い海水浴場は、いずれも三河湾や伊勢湾の奥まった場所にある。この地域の海は昔からCODが高止まりする傾向がある」と指摘した。

 本文で、これまで触れた海水浴場を検証してみよう。ワースト1位の宮崎、2位の三河大島東浜、4位の恵比寿は、渥美半島と知多半島に挟まれた三河湾の奥に位置する。2位の大野と、30位のりんくう海浜緑地は伊勢湾の中にある。

 愛知県以外の上位を見ると、7位の桂島(宮城県塩竈市)や8位の豊浦海浜公園(北海道豊浦町)は似たような立地といえる。閉鎖的な海域にあることの影響は、かなり大きいと考えられる。

CODが高い海は有機物による汚濁の程度が大きい

 環境省による水質格付けは、COD、ふん便性大腸菌群数(個/100ml)、透明度(m)、油膜の有無という四つの判定基準で行われている。

 四つのうち一つでもAの基準をクリアできなければ、その海水浴場は、他の判定基準がどれだけ良くてもB以下に落とされる。仮にCODが同じ値でも、AとBでは水質が異なるわけだ。

 そこでダイヤモンド編集部の水が汚い海水浴場ランキングは、まずBと格付けされた海水浴場をCODの高い順にワースト1位から128位まで順位を付けた。そして、129位以下はAと格付けされた105ヵ所をCODの高い順に並べて作成している。

 少し化学的な話になってしまうが、CODについても説明したい。CODは、海水に含まれる有機物を酸化剤で酸化するときに、消費される酸化剤の量を酸素の量に換算したものだ。

 CODが高いほど、水中に存在する有機物の量が多いことを意味し、有機物による水質汚濁の程度が大きいことになるのである。

 全国819ヵ所の海水浴場のうち、今年は油膜が確認された場所はなかった。そこで次回は、残りの二つの基準であるふん便性大腸菌群数と透明度を使って、今回の記事とは異なる視点から、水が汚い海水浴場を確認してみたい。併せて参考にしてほしい。

(ダイヤモンド編集部 清水理裕)

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