「拡散測定」で失敗を成功に

  テレビCMや新聞・雑誌広告など打った場合、それがどれだけの人に見られたか、といったことを測定するのはとても困難です。厳密には「不可能」とさえいえます。

  視聴率や発行部数などの数字は後から出てきますが、それらは目安程度のものに過ぎません。番組の視聴率はわかってもCMの視聴率は公表されないので知ることができません。また、そういったメディアはもともとが「広く告げる」広告ですから、消費者の目に届いたとしてもその人がターゲットでないことも、おおいにありうることなのです。

  動画・ライブ配信は、「どれだけ拡散したか」の測定が簡単におこなえます

  総再生回数が見えるだけでも大きな違いがありますが、もっと細かいことを分析することも可能です。例えばYouTubeなら、「YouTube アナリティクス」といった公式のツールがあり、それを使うことで、ある一定期間での再生回数やユーザーの流入経路、その動画がどこまで見られていたか(どこで離脱されたか)、といったことがわかります。

  他にもチャンネル登録数や、SNSでのシェア状況などから、拡散効果を知ることができます

「何歳ぐらいの人が見ている」
「何人に広まった」
「ファンが何人増えた」

  こうした指標があることで、クリエイターやライバーは拡散の手応えをつかめます。しかも、だれかを介することなく、知りたいときにすぐ、自分で調べることができるのです。

  もし、「反応が悪い」となっても、「コンテンツ内容を改良する」「違うターゲットにアプローチする」「関連する新しい動画を上げる」といった改善策を早急に打つことができ、展開のスピードを速めることが可能です。連載第1回で触れた「A/Bテスト」も効果的です。

  配信者が効果測定するための情報が常に手元にあるということも、拡散を進めるには重要なポイント。失敗を失敗で終わらせず、そこから改善・改良し、成功に導くことが可能になるからです。

※次回は自社で動画を始めるときに押さえておきたい基本原則についてお伝えします。