夏の甲子園“裏の見どころ”は
「サイン盗み」因縁の対決

 さて、今大会は、球数制限、連投の是非などの議論が渦巻く中で行われる。各監督が、一体どのような采配をするのか。その指導姿勢や哲学が問われる、これまでにない大会になるだろう。

 抽選結果を見て、ファンが内心ドキドキしているのは、大会4日目(9日)に行われる鳴門対花巻東の対戦。これを「因縁の対決」と呼ぶ声もある。今春のセンバツでも騒ぎが起こった「サイン盗み」が疑われ、後味の悪い勝負になったのが6年前の夏、この両校の対戦だった。勝ったのは花巻東。2塁走者が打者に球種を教えているのではないか、と指摘したのが鳴門だった。指摘した捕手が最後の打者になったのも皮肉だった。それだけに、今回の対決を雪辱戦ととらえるファンも少なくない。

 この春、サイン盗みを指摘したのは、星稜。対戦相手は旭川大附だ。

 明徳義塾の馬渕史郎監督は、かつて星稜の松井秀喜選手を5打席連続して敬遠するよう投手に指示し、非難の的となった。勝利のためなら当然だ、仕方がないとの擁護もあった。勝利を優先し、明徳義塾を全国の強豪の一角に押し上げてきた。

 だが一方、1年生ながらマウンドを任せるなど、甲子園のヒーローと呼ばれた選手が、怪我もあり、その後、大学野球でもあまり活躍できず苦悩している現実もある。今年はどんな采配をするだろう。

 春ベスト4に勝ち上がった明石商は、初戦の花咲徳栄に勝利できればまた上位進出の可能性を秘めている。センバツで中森投手が4試合493球を投げた。今大会、狭間善徳監督は、やはり中森中心に連投でいくだろうか。

 今夏の甲子園は、8月6日に開幕し、21日が決勝の予定だ。準々決勝と準決勝の間、準決勝と決勝の間、それぞれ1日ずつ休養日が設けられている。

(作家・スポーツライター 小林信也)