宗教は「教養の土台」である

 では、どのようにすれば教養が身につくのでしょうか?

 私は宗教こそ、教養の大きな土台の一つだと考えています。そもそも宗教とは何でしょうか。

 宗教(Religion)は、もともとラテン語のReligioが語源です。これは、再びという意味のReとつなぐという意味のligioという要素からできており、「再びつなぐ」という意味になります。何と何を再びつなぐのかというと、神と人間を再びつなぐのです。

 このような語源からもわかる通り、宗教とは神または人智を超越した存在を中心として、教義や戒律を定めたものと定義できるでしょう。

 さて、そのような宗教がなぜ「教養の土台」なのでしょうか。

 世界の様々な社会、人の立場になって考え行動するには、その社会の歴史や文化、価値観を知ることが極めて大切になります。これは海外で成功した人、海外赴任で責任ある立場にあった人であれば誰でも同意していただけるでしょう。この歴史、文化、価値観の基底にあるのが宗教であり、世界レベルの教養を身につける近道なのです。