ちょうどいい距離感の「つながり」を得るための「一時停止」
むしろ怖いのは、自分が情報を発信できなくなること、情報を発信したとしてもそれが拾われず無反応であることであったりする。まるで自分という存在そのものが無視され、否定されたかのように感じてしまってはいないだろうか。
ネガティブな反応をされることと同様に、TwitterのRTやFacebookの「いいね!」の数、すなわち反応のあるなしが気になり、反応がないことを知るたびに滅入ってしまい、徐々に発信していくのが億劫になり、気疲れを自覚していく。
せっかく手に入れた希望だ。自分がメディア化した価値や喜びを享受しながらも、自分(の投稿)にネガティブな反応をされることと、スルーされることの2つの苦悩から脱却していってほしい。
前者の苦悩への処方箋は、先ほど紹介したレベッカ・アドリントン選手のように、時に一時休止、休暇を設けることだ。それが許されることは当然の権利であるにも関わらず、許されない気がしてしまう、そんな錯覚に陥ることがある。だがそれは気のせいだ。そう、正々堂々と休めばいい。
そして後者の苦悩への処方箋にも、それは適用できる。自分というメディアの力を過信しすぎないことだ。自分の発信がどれほど影響力あるかを問わないこと、つまり、たくさん反応を得ることを自分に課さないことだ。少なくとも、ソーシャルメディア以前は自分が情報を発信し、多くの人と共有できる環境などなかったのだ。それが叶うことの喜びを味わいつつ、反応を過剰に気にせず楽しみながら情報発信をすれば、ちょうどいい距離感の「つながり」を手に入れられるだろう。
※本連載は毎週金曜日に更新します(全5回予定)。次回「「LINE」の急伸から見えてくる、これからの「つながり」のカタチ」の掲載は、7月13日の予定です。