日本全国で増え続けている「空き家」。空き家の過剰供給の影響もあり、買い手が見つからず、困っている人が増えているという。著書『売りたいのに売れない!困った不動産を高く売る裏ワザ』(ぱる出版)がある不動産会社リライト代表取締役の田中裕治氏に詳しい話を聞いた。(清談社 福田晃広)

建て替え不可物件は
数万円でも売れない

売るに売れない不動産を「なんとかする」方法とは...?
再建築不可物件で、かつ長年空き家だったとなると、売るのは非常に困難になる。親が元気なうちに、不動産の相続についてしっかり話し合っておくべきだ Photo:PIXTA

 総務省の『平成30年住宅・土地統計調査』によると、2018年時点で全国の空き家数は846万戸、空き家率は13.6%と過去最高を更新している。1988年から2018年の空き家数の推移を確認すると、30年間で2倍以上も増加しているのだ。

 都市部への人口が集中しているため、地方の場合、一軒家や別荘地であっても数万円という価格で売買されることも決して珍しくない。

 日本全国の激安物件を取り扱う田中氏のもとには、「両親から相続した不動産を売りたいのに売れない」と、相談に来る人が年々増えているという。

「どうしても手放せずに困っているという相談は、建て替え不可かつ長年空き家の状態で傷んでいる物件であるケースが大半。しっかり手入れがされている一戸建てなら、いくら地方だとしても売れないことはそんなにありません。ただし、長年ほったらかしの状態で床や天井がボロボロで雨漏りしていたり、獣がすみ着いていたりする物件だと極端な話、数万円に値段を下げても売れないことはざらにあります」
 
 また、田中氏によれば、物件以外にも親から田んぼや畑を相続したものの、農業をするつもりはないので処分したいという相談も少なくないという。

「農地には、農業以外に転用できない土地(農用地)と、農業以外の用途に転用できる土地の2つに大きく分けられます。前者の農用地の場合、売るにも貸すにも、農家の人か農業法人のみ対象なのですが、そもそも需要がないので取り扱いが相当困難。後者の転用可能な農地であれば、買い手は農家、農業法人に限られませんし、駐車場、資材置き場、太陽光や風力発電など、使い道があるので、農用地に比べれば、まだ打つ手はあります」