財務省の事情を
国会は動かせるか

本連載の著者・みわよしこさんの書籍『生活保護リアル』(日本評論社)好評発売中

 日本にとって重要な制度の多くでは、国が実施のあり方を決定し、費用も負担する仕組みとなっている。たとえば生活保護では、現在、保護費の75%が国の負担となっている。国は再三にわたって、地方の負担増を提案してきたのだが、制度が発足した1950年の80%に比べて、5%しかディスカウントされていない。国の負担割合が減ったりゼロになったりした制度も多いことを考えると、驚異的だ。

 とはいえ生活保護には、「厚労大臣裁量」という課題がある。生活保護基準をはじめ、生活保護法に関する重要な決定は、国会の議論を必要とせず、厚労大臣が自分の裁量により決定することができる。実質的には、厚労省の官僚たちが他の省庁や政権との調整の上で決定する。このため、誤った方針や問題ある方向性が実現すると、修正されにくい。

 しかし、より大きな問題は、むしろ国の負担割合が減少した制度のほうにあるのかもしれない。就学援助をはじめ、生活保護基準を参照して対象が決定される制度では、現在は国の負担がなくなっていることが多い。このため、対象を拡大しようとすると、地方自治体の財布が痛むことになる。どの自治体にも、住民の暮らしよりも重要な課題があるわけはないのだが、優先順位の付け方は議論を呼ぶだろう。

 様々に思いを巡らせながら、まずはあなたのマチの地方議会に関心を向けてみていただきたい。そして賞味していただきたい。最初に気がつくことは、「わがマチでは、議会議事録が公開されていない」という残念すぎる事実かもしれないが――。

(フリーランス・ライター みわよしこ)