便秘は「病」である
合併症も数多い

 精神的なQOLについて、日本の国民の平均値を50として比較したところ、非便秘症患者のQOLの精神的な側面のスコアは49.07なのに対し、便秘症患者のスコアは45.91という結果が得られたという。便秘の人はそうでない人よりも、約3ポイントも精神的なQOLが低いという結果が得られたのだ。

「2つ目の原因は、便秘と合併した疾患によるQOLの低下です。便秘は、糖尿病や腎臓病、心血管系疾患、パーキンソン病などの神経疾患、うつ病などの精神疾患、甲状腺疾患の症状として表れるケースもあります。これらの疾患のために頻繁に仕事を休んだり、体調不良によって仕事の効率が悪くなり、経済的損失が大きくなっていくようです。また、便秘の人は非便秘の人に比べて死亡率が高いことも明らかになっています」

 なかには、飲んでいる薬が便秘を引き起こす事例もあるという。あらゆるリスクを考慮すると「便秘は疾患であることがわかるはず」と三輪氏。たかが便秘、と放置していると経済的損失だけでなく、命の危険にもつながる可能性があるのだ。

 また、現在便秘症に悩んでいない中高年も油断はできない。とくに男性の便秘は加齢とともに症状が表れてくるという。

「女性の悩みというイメージが強い便秘ですが、男女ともに年齢を重ねるに従って頻度が上がっていきます。いまは比較的軽い便秘の中高年層も、加齢に伴って重症化する可能性が高いです。加齢とともに便秘に注意を払い、正しい排便習慣を維持する必要があります」