5年の時効は長く感じるかもしれないが、例えば大規模修繕工事やマンションの管理規約改正など、数年越しの大きなテーマがあるような場合、輪番制で理事が替わる間に、管理費・修繕積立金の滞納問題が先送りにされることもある。そうなれば、5年というのは意外に早く到達してしまうものだ。

 実際には、時効が成立する前に、裁判上の請求や差し押さえ、債務の承認という「時効の中断」措置を講じるという手立てもあるが、何よりも管理費・修繕積立金の滞納を5年も放置しないことが重要である。

 まずは、管理費・修繕積立金の滞納が発生したら、滞納者に対して適切な時期にしっかりと督促を行い、必要であれば裁判沙汰も辞さないなど、「払うものはきちんと払わせる」という管理組合の厳格な姿勢を見せることだ。さらに、遅延損害金を課したり、駐車場・駐輪場の利用権を差し押さえたりするなど、滞納者に「払わなければ損をする」と感じさせることも有効だろう。

 さらに、管理組合には「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」第7条で「先取(さきどり)特権」という権利が認められている。これは、管理費・修繕積立金を滞納している区分所有者(債務者)の区分所有権(財産)を不動産競売にかけ、競売代金から優先的に弁済を受けることができるという権利である。

 通常、不動産を競売にかけるには、民事訴訟を起こして勝訴し、その勝訴判決に基づいて強制執行手続きの申し立てを行う必要がある。しかし、管理組合に認められた先取特権の場合、管理組合は民事訴訟を起こさずに、先取特権に基づいて不動産を競売にかけることが可能だ。

 いくら滞納しているとはいえ、財産を差し押さえて競売にかけることには抵抗を感じるだろうし、その期の理事にとっては心理的な負担も大きいかもしれない。しかし、守るべきは管理組合=区分所有者全体の財産であり、適正なマンションの維持・管理を行ううえでは、ルールを厳格に用いて、確実に滞納分を回収することがもっとも大切なことと考えていただきたい。

古さを生かして価値を生む
ヴィンテージ・マンション化で空き家対策を

 一方で、どんなにマンションの維持・管理に気を配り、管理費・修繕積立金を確実に徴収し、適切な時期に大規模修繕工事を行っていっても、次第にマンションが老朽化していくことは避けられないものだ。ならば、マンションは古くなったらもう価値がないのかといえば、そんなことはない。

 時々、マンションの寿命は「47年」という言葉を目にすることがある。この数字は、鉄筋コンクリート造の建物(=マンション)の資産価値を計算する便宜上、財務省が定めた法定耐用年数が「47年」であることからきているものだ。これは建物が減価償却する耐用年数を意味している。