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 欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は一向に上向かないインフレ率の押し上げに向けてあらゆる手を尽くすと述べていたが、12日の理事会ではまさに有言実行してみせた。

 ECBはマイナス金利の深掘りに加え、新たに資産買い入れ策を再開。主にユーロ圏の銀行支援を狙った複数の措置も発表した。発表を受けてユーロは急落。国債利回りも大幅低下し、独10年債利回りは8ベーシスポイント(bp)、イタリア10年債は20 bp超それぞれ低下した。

 だが、投資家が金融緩和策の詳細をいったん消化し、会見でドラギ総裁からこれ以上の「ごほうび」は飛び出さないと分かると、こうした金融市場の反応はすぐに巻き戻された。以下、ECBの政策決定に関する5つのポイントをまとめた。

無期限の資産買い入れ

 新たな資産買い入れ策の規模は月額200億ユーロ(約2兆4000億円)。これは市場予想の約300億ユーロを下回った。だが買い入れ策に期限は設けられておらず、必要と判断される限りは継続することになる。これはサプライズだった。ECBはユーロ圏各国の国債保有比率に関して上限を設けており、買い入れ余力が大きいとは考えられていなかった。またこの上限を変更することはしなかった。

 だが、その他の点においては、重要な変更を行った。ECBはまず、買い入れ対象の資産を広げ、社債や住宅ローン担保証券(MBS)など、ECBの政策金利を下回る利回り水準で取引されている民間部門の債券なども新たに対象に加えた。これにより、ECBは国債保有比率の上限撤廃という政治的に微妙な議論に直面するまで、資産買い入れを長期間(一部推定では2~3年)継続できることになる。