空き家の中で賃貸のシェアはこの5年で減少したのに対し、増加したのが持ち家の戸建てで、全体の4割強を占めて急増中だ。一番多いケースは親の実家を相続したものだ。これは地方・郊外に多いと思われ、売却などの対応が放置されている。

 放置すると固定資産税が相続した所有者にかかるが、遺品整理も何もしないという選択は「実家のトランクルーム化」を意味する。固定資産税を月1万円程度のトランクルーム代と考えると、相続した財産で当面賄えてしまう。この誰も住まない実家を空き家問題とするなら、誰にも迷惑をかけていないので「問題」という話にはならない。

大手総研の予測は外れまくり
「空き家が少なすぎる問題」の提起

 東京を中心とする都市圏では、むしろ空き家が少なくなり過ぎて今後大問題になると、私は予測している。世間の空き家問題とは逆の現象だ。そもそも空き家問題というデマをまことしやかに大問題のように見せかけたのは、大手総合研究所が発表した「空き家率予測」だ。これは空き家問題で必ずといっていいほど引用されてきた。

 それは、空き家問題が今後急速に深刻になり、2033年には空き家率が30%を超えるというものだった(予測当時の2013年時点で13.5%)。しかし、この予測はたった5年で大きく外れた。実際に増えた空き家総数は26万戸だったのに対し、実際はその約8倍となる180万戸も多く予測し、206万戸という外れっぷりだった。ちなみに、この5年間の着工戸数は466万戸なので、180万戸の予測差というのはケタ外れに大きい。