消費税廃止前の買い控えと
反動増が景気をゆがめる

 消費税率が引き上げられると、その前に買い急ぎが起こり、増税後はその反動で消費が落ち込む。消費税を廃止する場合には、その反対が起きることになる。

 10%の消費税率がゼロになるわけだから、猛烈な買い控えと反動増が発生するに違いない。景気の調節など、ほぼ不可能である。

 それだけではない。耐久財であれば、作って在庫を積み上げておけば良いが、腐りやすい物やサービスなどは、作り置きができないので、廃止前は生産者が長期休暇を取得し、廃止直後は徹夜で働く、といった事態になりかねない。

 働き方改革の観点からも問題であるし、徹夜をしても供給が間に合わない分は消費者が待たされることになる。とにかくさまざまな面で経済の混乱を招く恐れがある。

消費税が優れた税だとは思わない

 ここまで述べたように、消費税を一気に廃止すると混乱を多く招く恐れがあるが、徐々に税率を下げていくことには賛成だ。消費税は他の税より優れているわけではないからだ。

 まず、所得税や相続税等が累進課税(高額所得者や富裕層ほど高い税率)であるのに対し、消費税は原則として誰でも同じ税率なので、低所得者には負担が重い。「逆進的だ」という人もいるほどである。

 買い物をするたびに税を払わされるので、痛税感が半端ではない。のみならず、実際に消費の意欲が減退するから景気への悪影響が大きい、という問題もある。