「70歳で引退する」と公言  “オオカミ少年”柳井の辞め時は
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「70歳で引退する」「世襲はしない」と公言してきたファーストリテイリングの柳井正会長兼社長。そんなカリスマ経営者もついに70歳を迎えた。生涯現役か、それとも後進に譲るのか、はたまた前言撤回して息子への譲位か……。後継者問題の行方はいかに。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)

 ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正は今年2月に70歳になった。

「60歳で引退する」「65歳で……」「70歳で……」と節目ごとに“引退宣言”しているものの、毎日元気に陣頭指揮を執る柳井の姿に、社員たちも「引退どころか生涯現役ではないか」と苦笑する。もはや“オオカミ少年”状態ではあるが、そうはいっても、ここ数年、稲盛和夫などの名経営者たちが次々に後継者を選び始めているのを、柳井も知っていることだろう。

 アパレルの世界で、柳井同様、創業者が陣頭指揮を執ってきた企業に、ZARAを擁するスペインのインディテックスがある。創業者のアマンシオ・オルテガは、2011年に75歳でCEO(最高経営責任者)の座を退いた。取締役としてボードメンバーにとどまっていたが、最近になって完全に引退した。

 柳井が社外取締役を務めるソフトバンクグループの会長兼社長の孫正義は、15年に後継者としてニケシュ・アローラを指名した。ところが、結局アローラはすぐに同社を去ることになった。この後継者を巡るドタバタ劇は、02年ごろの柳井の姿と重なる。