年会費10万円以上も…
災害時や防犯には威力を発揮

 もちろん、自治会といっても千差万別だ。

「東京などでは自治会費の相場は毎月数百円のところが多いですが、地方都市の一部では、神社や祭りの費用なども含め年間10万円以上を徴収されるところもあります。加入することで得られる生活上の恩典も、団体によっては人員や予算が潤沢でお祭りや子ども会も充実、ゴミ捨て場や街灯の管理・維持などを行うところもあれば、規模が小さく回覧板を回すなど最低限のことしかできない自治会もあり、内容もばらつきがあります」

 あるいは、会長含め役員が何年も代わらず、排他的かつ閉鎖的、一部の人が私物化、既得権益化していたり、いつも同じ人しか参加しないイベントに予算が投じられて、加入のメリットが感じられないような自治会もある。

 しかし水津氏は、自治会に入る最大の恩典は「防災・防犯」だと話す。

「たとえば、95年の阪神・淡路大震災のとき、救助された人の8割は、家族や近所の人たちによって助けられました。自治会での交流を通じて地域で顔の見える関係ができていれば、大災害のときに『あれ、○○さんがいないけど大丈夫かな…』と誰かが気づいて、救助を要請してくれるかもしれません」

 また、自治会に入っていれば、災害時に有益な情報を得られることもある。

「震災があったとき、被災者は国や自治体に申請を出すと補償を受けられる場合があります。しかし、阪神淡路大震災で被災した際、申請期限当日の午後、初めてそうした制度があることを知ったという方もいて、自治会に加入していないと、そういった情報が入ってこないこともあります。平時と異なり混乱の中では個々の住宅にまで情報が届かず、自治会を通じて回ってくることもあるでしょう。不審者情報なども同様に、ママさんネットワーク以外では自治会を通じて回ってくることも多いのです」

 悪質な仲間外れや嫌がらせなどは論外として、自治会に入っていないがために防災・防犯の情報面で不利益を被ってしまう可能性があるというわけだ。