10月9日、帝国ホテルが日本有数の花街である京都・祇園地区の中心にある伝統建築物「弥栄会館」に進出すると発表した。競合が激しく供給過剰が懸念される京都のホテル市場に、独自路線で一石を投じられるのか。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
「懸念材料はない」と
国内資本ホテルは楽観的
東京の帝国ホテルが京都への進出を計画している。大阪への進出以来、23年ぶりの新ホテルの立ち上げとなる。
今回、帝国ホテルは一からホテルを建設するのではなく、芸妓・舞妓による舞踊公演「都をどり」の会場として京都では有名な祇園甲部歌舞練場(2016年から耐震改修中)と同じ敷地内にある「弥栄会館」を借り、リニューアルするかたちだ。
弥栄会館は、1936年竣工の和風意匠を織り込んだ建物で、国の登録有形文化財だ。地上5階、地下1階の鉄骨鉄筋コンクリート造り。土地は学校法人八坂女紅場学園が所有しており、帝国ホテルが建物を改修してホテル運営を担う。オープン時期は未定だが、数年内と見られる。
地元のホテル関係者は、帝国ホテルの進出をどう受け止めているのか。
国内資本のシティホテル幹部は、「我々より室数を抑えて高単価設定するだろうから懸念材料はない。一流ホテルの参入は京都にとって大変良いことだ」と楽観的で、歓迎するムードすらある。