サービスアグリーメントが
あってもゴネる顧客はゴネる

 問題になるのは、こういったサービスアグリーメントがあった場合でも、一部の日本人はゴネるということです。

 私が知っているのは、運送会社のメール便で大切な本を友人に送った人のケースです。その本が何らかの事情で相手に届かなかったため、彼はキツいクレームに行きました。運送会社に対して「なぜ届かなかったのか」「どういう運送体制になっているのか」という説明責任を求め、彼が考える改善案を提示した上で、その会社に強く反省を求めたのです。

 運送会社の営業所の方も、災難だったと思います。メール便はそもそも、「ダイレクトメールなどが99.9%くらいの確率で無事に届けばそれでいいから、郵便よりも安く配達してほしい」という荷主の要望に応えて始まったサービスです。そのため、配達は運送会社の社員が直接やるのではなく、配達地域の誰かにまとめて届け、戸別の配達はその人に1通20円くらいで委託してやってもらうという仕組みです。

 私の親戚がその業務委託をしていたのでよく知っているのですが、委託された家に午前中に行くと、午後に配達するメール便が大量に置かれていて、家族が配達方面別に仕分けをする姿を見かけたものです。そうやってコストを下げるから、料金も安くなるという仕組みです。

 そういうサービスアグリーメントの前提で郵便よりも安く送ったのに、届かないと「おたくの従業員の教育から見直すべきだ」とクレームを入れる日本人が結構いる。そういったことにアフターで対応するのは、会社にとっては追加コストになります。

 余談ですが、欧米ではこのあたりにかなりドライな線引きがされているようです。昔、商社の方から聞いた話ですが、南米の国に赴任していたある駐在員が銀行でお金を降ろしていたら、銀行強盗に遭ったそうです。映画のワンシーンのような感じで、銀行員も顧客もみんな両手を挙げ、窓口にあった降ろした直後の顧客の現金も、強盗に奪われてしまいました。