サミットの目玉は、「5Gで何が変わるのか」という公開討論。吉澤社長は「リアルとバーチャルが融合し、世界が進化する」と語り、高橋社長は「消費者向けは、特別なエリアで特別な体験がコンセプトになる」と述べた。また、宮川副社長は「VR(仮想現実)、AR(拡張現実)がはやりだす時期が訪れ、その後、何でもつながるのが当たり前の世界が始まる」とし、山田社長は「ゲームの対戦が圧倒的に違う体験に変わる」と語った。

 公開の場とあって手の内を隠そうとする雰囲気もあったが、9月にプレサービスが始まり、20年春に商用サービス開始を控える5Gについて、通信キャリアはどんな構想を描いているのか。迫り来る5G時代に対応するためのヒントをつかみたい。こんな思いが、会場の熱気を生んだのだ。

期待は?悩みは?取り組み状況は?
5Gアンケートで見えた企業の“本音”

 注目度が急上昇中の5G。実際のところ、企業は5Gについてどう考えているのか。そこで本誌は、上場企業2000社を対象にアンケートを実施し、本音に迫った。

 5Gはあらゆる産業を変革させると喧伝されている。ただ、20年3月に商用サービスが始まるとはいえ、実際のビジネスに影響してくるまでには業界によって時間差があるだろう。

 例えば動画やゲームといったスマートフォンで楽しめる業界は、5Gの商用サービス開始から対応することを想定していなければ、出遅れて痛い目に遭う。その一方で、人の命に関わる医療や公道での自動運転といった領域が5Gによって変わるのは数年先だとみられている。

 それでは、企業は5Gの波が自社にいつ到来すると考えているのか。まずはずばりと、「5Gが自社のビジネスに変化をもたらすのはいつ?」と聞いた。