ワークショップの冒頭、レクサスの技術開発を統括する、エグゼクティブ・バイスプレジデントの佐藤恒治氏は次のように述べた。 

「これまで(我々レクサスインターナショナルは)市販化(を対象とした製品や技術)のみを(メディアと)コミュニケーションしてきたが、(今後はレクサスに関する)中長期的な視点での意見交換が必要だ。(これまでの方法では)メディアからの理解が進まないとの実感を持っている。(そこで)今回乗っていただくクルマは、現時点で市販化の目途が立っていないモノも含まれている。ありのままのレクサス(に関する情報)を、皆さんと共有したい。レクサスが今後、未来をどうしていきたいのか、踏み込んで紹介したい」(佐藤氏)

 なお、今回のワークショップ、開催前から「メディアとして公開不可の内容が含まれることを了承のこと」というただし書きがあった。その約束を守りながら、話を進める。

どこにオリジナリティーを求めるか?
 原点回帰の先にあるもの

 レクサスがいう次世代レクサス開発の柱は3つ。原点回帰、電動化、そしてFモデルの強化だ。

 まず、原点回帰。

 レクサス第1号の1989年初代「LS」で当時の開発陣が目指したのは、卓越した静粛性、乗り心地、そして品質だ。これらを定量的ではなく、感性に訴えるものづくりとして捉えていた。

 だが、90年代から2000年代にかけて、欧米プレミアムブランドがレクサスをベンチマークとした技術開発や営業戦略を進めたことによって、レクサスはプレミアムブランド市場の中で新鮮さを徐々に失っていった。

 そんな折、2011年8月18日にレクサスは大きな転機を迎える。米カリフォルニア州ぺブルビーチでのクラシックカーの祭典「コンクール・デレガンス」で、当時の新型「GS」を発表したところ世界のメディアから「レクサスはボーリング(退屈・つまらない)ブランドだ」という声が数多く上がったのだ。

 厳しい状況を現地で目の当たりにした豊田章男社長は、アメリカから帰るとレクサスインターナショナル発足を決断。製品企画から生産までの一括管理体制に大きくかじを切った。新体制のもと、未来型レクサス構想「フューチャー・レクサス」としてコンセプトモデルを随時発表し、2017年の「LC」から量産化に入った。