「朝のエレクト」の確認で
心筋梗塞、脳梗塞を予防

さらに、テストステロン不足は、心筋梗塞、脳梗塞など、心血管系疾患を引き起こしやすくなります。いきなり「最近、朝立ちしてますか?」と聞かれたら、男性の多くは戸惑ってしまうでしょう。しかし、落ち着いてよく思い出してみてください。
「そういえばしばらく気づかない」という方は要注意。朝立ちがなくなることは、男性更年期やそれに伴って発症するうつ症状、あるいは糖尿病や脳梗塞といったメタボリック症候群のサインでもあるのです。

「朝立ち」は、医学的には「モーニング・エレクション」と言いますがわかりづらいのでこの本では「朝のエレクト」とします。性的な妄想や刺激とは、まったく関係ありません。

朝に限らず、体は眠っていても脳の一部が活動している「レム睡眠」のときに、ムスコはひそかに元気になっています。20代なら寝ている時間の半分、50代でも健康な状態なら3分の1から4分の1の時間は勃起しています。

女性の月経に相当する、いわば“男の生理”と言えるでしょう。人間は血管とともに老いると言いますが、40代、50代で朝のエレクトがない人は、血管の状態が悪化している可能性があります。

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人体でもっとも細い動脈は?

それは人体でもっとも細い動脈はペニスにあるからです。その直径は1~2ミリほど。その血管が弱って、もし動脈硬化を起こしているとしたら? だから朝のエレクトがないという可能性が大きいのです。実は勃起障害(ED)と心筋梗塞の関連性を示すデータもあります。

さらに糖尿病などのメタボリック症候群の症状が進行している場合も、朝立ちがなくなります。
そもそも、朝のエレクトが減るいちばんの原因は、テストステロンが減少して「男性更年期障害」を起こしているからです。

朝のエレクトに気づくのが2週間に1~2回だったり、近ごろ性欲や勃起力が減退していると感じたりする人は、テストステロンが減っていると思ったほうがいいでしょう。

若い人だけではありません。60代以上でも、朝のエレクトがないのが「当たり前」ではないのです。まったくない場合は、男性更年期よりももっと深刻な「熟年期障害」を疑ったほうがいいでしょう。

図1−8は、動脈の太さを表した表です。どの血管でも同じように「詰まり」があった場合、血管が細ければ細いほど、その血管に対する詰まりの割合が高くなるため、深刻な症状が出やすくなります。

つまり、身体の中でいちばん細いペニスの動脈が、いちばん症状が出やすいというわけなのです。

繰り返しますが、まさに朝のエレクトは、孝行ムスコからの大切なメッセージなのです。頻繁にあれば「大丈夫だよ」という励ましになるし、しばらくごぶさたなら「このままじゃいけないよ」「気を付けたほうがいいよ」という警告になります。
せっかく早めにサインを出してくれているのに、それを無視して重い症状になったりしたら、ムスコに申し訳が立ちません。しっかりサインを受け取りましょう。

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