100円文具は「サポートツール」である
普通の文具メーカーに比べ、100円ショップの文房具の性能は、正直なところ、決して良いとはいえません。ペンなどはメモ書き程度なら問題ありませんが、普通の文具店でも売られている一流メーカーのブランド品を除けば、使いやすいとはいえませんし、モチベーションも上がりません。とてもすべての商品がお薦めとはいえません。
けれど、100円文具は決して完成品ではないという立場に立って、その他の「機能文具」「進化系文具」、あるいは雑貨などといかに「組み合わせるか」を考えると、俄然魅力を増すツールです。
商品そのものに価値があるというよりは、今使っているツールをさらに使いやすくしたり、楽しさを倍増させたりするために、「自分らしさ」を加える「サポートツール」であるといえます。
単体として価値があるというより、例えばモレスキンといった高級ノートと組み合わせることで、より自分が使いやすいようにカスタマイズすることのできる「素材」として、100円文具は有効なのです。
その意味で、「どう使うか」というアイデアを刺激してくれる魔法のツールだともいえます。単体で完結するツールは少ない反面、アイデア次第で何でもできる自由度が高いのです。
素材であるため、道具が持つ本来の機能とは別の使い方もできます。ラミネートは文書などが傷まないためにパックするものですが、思い出のチケットや落ち葉を入れて自分なりのしおりを作ることもできます。
また、本来ファイルなどに貼る、はがせるラベルを本の背に貼ることで、「読んだ」「読んでいない」という読書の状況を本棚に並べたまま把握でき、蔵書管理も可能になります。
また、商品としては存在しない、自分だけのマスキングテープホルダーを自作することも、強力マグネットを使ってゼムクリップのケースを簡単にオリジナルで作ることもできます。
他のツールと組み合わせたり自作したりと、創意工夫さえすれば、何でもない道具が整理術や情報管理術、効率アップの「素材」として大いに役立つことになります。自分なりの方法を生み出す上でも、100円文具をいかに使うかというのは、究極の「文具術」なのです。