私が外貨建て保険を勧めない理由は主に3つ。1つ目は、販売する銀行や保険代理店が受け取る「手数料が高いこと」。金融庁の報告書によると、保険会社が銀行に支払う一時払い外貨保険の手数料率は平均で6.8%(2015年度)。投資信託の購入時手数料が平均2%強であるのと比べ、高すぎだ。

 2つ目は「流動性が低いこと」。保険会社は、販売会社に支払った高い手数料を運用による収益から回収する。手数料が高いと、回収するのに長い期間を必要とするので、契約から10年くらいの間、元本割れは避けられない。

 年金生活に入る前に住宅ローンの残りを返したいと思い、解約をしようとすると大きく元本割れというケースも考えられる。

 3つ目は、「為替変動リスクがあること」。満期を迎えたときに円高であれば、外貨建てでの運用収益があったとしても円ベースでは元本割れの可能性がある。

 元本割れにならなくても、契約当初想定していた利回りは見込めず「ほとんど儲からなかった」という事態は十分にあり得るのだ。

 外貨建て保険の仕組みはとても複雑なうえ、アメリカもオーストラリアも金利は為替変動リスクをカバーするほどの高金利ではない。マイナス金利政策の日本に比べ、少し高いくらいなのである。つまり、リスクに見合ったリターンは期待しにくいということだ。

 とにもかくにも、50代以降は「運用病」に注意が必要。「運用しないともったいない」と思ったなら、投資初心者向けの書籍を1~2冊買って読もう。まともな専門家なら、「まとまったお金で一度に1つの商品を買ってはいけない」「高い手数料の商品を買ってはいけない」と書いている。読んでいる間にクールダウンできるはずだ。
 
(株式会社生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵)