昨今の不動産市況は好調で、不動産会社は軒並み成長を続けている。三大老舗の三井不動産、三菱地所、住友不動産も例外ではない。だが一方で、ニーズが高過ぎる故に土地が不足し、マンション市場が頭打ちになる恐れがあるという問題に直面している。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
三菱地所は中間期で減収減益も
通期予想では各社ともプラス
通期決算では増収増益を見込んでいる――。
11月、不動産大手の三井不動産、三菱地所、住友不動産の2020年3月期中間決算が出そろった(下表参照)。
近年の不動産市場の好況を受け、いずれも通期決算はプラス予想を維持した。最も好調だったのが住友不動産で、三井不動産に売上高は及ばないものの営業利益では1375億円と、同社を上回っている。
その三井不動産は中間決算の当期純利益は前年同期比で微減だったものの、通期予想では売上高、営業利益共に130億円の上方修正だ。
中間決算で減収減益だったのが三菱地所だ。特に分譲マンション事業が前年同期比で約300億円減収したのが響いた。
「今期の分譲は下期に偏重しており、おおむね計画通り」(三菱地所財務担当者)というが、分譲マンション事業の売上高に関しては通期予想も前期比300億円減収の2080億円で着地する見込みだ。
同社は「来年度以降もこのペースは維持する」(同)としているが、見方を変えればマンション市場が全体的に頭打ちに近づいているともいえる。