単身者の増加が持ち家市場に
もたらすインパクト

 単身者はこれまで、分譲住宅の世界では存在感が薄かった。というのも日本では、「家は結婚し、家族構成が固まってから買うもの」という考え方が強かったからだ。具体的には、上の子が小学校に上がることをきっかけに家を買う家庭が多かった。

 世帯は構成人数別に単身世帯、2人世帯、それ以上に分けられるが、今の日本では単身世帯が最も多く、全国平均で約4割を占めている。首都圏ではファミリー世帯(90万)よりも単身者世帯(130万)の方が多い。東京都区部になると単身世帯の割合はさらに高くなり、平均世帯人員は1.9人と2人以下にまで減ってきている。

 少子高齢化の進行により、今後は高齢者の単身世帯が増え、単身世帯の割合が高まる傾向が加速するものと予測されている。日本では長らく「夫婦2人に子供2人」が標準的な世帯モデルとされてきたが、今後は「1人世帯が標準」へと、発想を変えていかなければならないだろう。

 だが、ここまで単身者が増えてくると、不動産業界としても無視できないマーケットになってくる。このため、独身向けのコンパクトな自宅マンションが増えている。私は自宅で資産を増やす方法を著書で紹介し、ベストセラーになったこともあり、単身者が家を買うことを「家活」と称して推奨している。なぜなら、賃貸よりも持家の方が圧倒的に有利だからだ。

 この持ち家率の数字は、高齢者になると跳ね上がる。日本では85歳以上の持ち家率は84%で、民間の賃貸に住む人は8%に過ぎない。全都道府県の中で最も持ち家率が低い東京都でも75%あり、民間賃貸比率は10%に留まっている。数字から見て、日本では何か特別な事情がない限り、生涯のどこかで持ち家を取得することが常識になっているといってよい。