自分で自律神経をコントロールする方法

「はぁ~」
 慌ただしい一日を終え、湯船につかると、思わず大きなため息がもれます。気分は最高。
 表情もゆるみます。実はこのとき、すでに「治療」は始まっています。

 湯船につかることで、自律神経のスイッチがオンになるからです。自律神経はさまざまな役割を担っていますが、最も大きな役割は、血流をコントロールすること。
 人体には血管がくもの巣のように張り巡らされており、すべてをつなげると約10万キロ(地球約2周半分)にもなります。自律神経は、その血管すべてに沿って走り、血流をコントロールしています。
 血流の役割は、主に5つ。

(1)水分を保つ
(2)酸素や栄養を届ける
(3)老廃物を回収する
(4)免疫細胞を運ぶ
(5)体温を維持する

 血流がよければ、私たちの体にある37兆個の細胞一つひとつに、酸素や栄養、熱が届き、不要なものが排出されます。その結果、細胞はスムーズに生まれ変わりを繰り返し、元気で若々しく、病気に負けない体が育まれます。
 反対に、血流が悪いと、全身の細胞に、酸素や栄養を充分に供給することができません。
 また、回収作業が滞ることで、疲労物質が体内に蓄積したり、老廃物が蓄積することで血管が圧迫され、痛みや凝りなどの症状を引き起こしたりします。
 つまり、「疲れ」と「痛み」のない体を作るカギを握っているのは、血流だということ。
 そして、その血流をコントロールしているのは、自律神経なのです。