毎日、何気なく、お風呂に入っていませんか? そうだとしたらもったいない! 「入り方次第でお風呂タイムは治療になる」と言うのは、自律神経や腸の研究の第一人者で「医者が教える長生きみそ汁」の著書もある小林弘幸先生(順天堂大学医学部教授)。
寝ても取れない日々の疲れや、肩こり・腰痛などの慢性的な痛みに、一生悩まされない体を作る、究極のお風呂の入り方を提案した新刊「医者が教える 小林式 お風呂健康法」をベースに、自律神経と腸に最大効率で働きかけるお風呂の入り方を解説します。

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理由もなく「疲れが取れない」「痛い」ということはない

「体がだるい」
「肩凝りがひどい」
「腰が痛い」
「ぐっすり眠れない」
 病気というほどではないけれど、なんとなく調子が悪いという人が増えています。「病気じゃないんだから」と、がまんしている人もいるでしょう。
 けれども、理由もなく調子が悪いということはありません。その、体のだるさや肩凝り、腰痛、不眠などの不調を引き起こしている原因は必ずあります。

 そしてその不調の根本的な原因は「自律神経が乱れている」ことがほとんどです。
 自律神経は、人体の生命維持装置のようなもので、体がどんな状況下にあろうとも、いつもと変わらない状態でいられるようにさまざまな働きをしています。
 たとえば、眠っている間に呼吸をしたり、暑いときに汗をかいて体温を調節したりできるのは、自律神経のおかげです。働きは、生命活動を支える重要なものばかりなので、そこに人間の意思は伴いません。もし、私たちがいちいち指令を出さないと、呼吸や体温調節ができないとしたら大変ですよね。だから、自律神経は人間の意思とは別次元で24時間体の様子を観察し、不具合が生じないように働き続けています。

 しかし、これは言い換えるなら、「自律神経は自分の意思ではコントロールできない」ということになります。
「なんとなく調子が悪いのは、自律神経が乱れているからだと言ったのに、自律神経をコントロールできないなら意味がない」と、思われたかもしれません。

 たしかに、自律神経は自分の意思ではコントロールできません。しかし、実は間接的にコントロールすることは可能なのです。
 残念ながら、病院で治せるのは、病名がついた病気だけです。だから、なんとなく調子が悪いという「状態」には、病院ではなかなか太刀打ちできません。
 しかしだからこそ、病院よりもむしろ、その体を一番よく知っている人、つまりあなた自身こそが、最良の治療者になりえるのです。そしてそれは、意外なほど簡単です。