長期的に楽しく働いてもらうための12のアクション

 そうした中で、まず経営側がすべきなのは、待遇とそれ以外の両方を改善していくことです。しかし、構造上、どうしても今は待遇を改善できないケースもあります。
 それでも長く勤めてもらい、できる限り気持ちよく働いてもらうためには、「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代の成長環境」の3つを高めることが大切なのです。具体的には、それぞれ次のようなアクションをとる必要があります。

【風通しの良さを高めるアクション】
・情報のシェアや成功事例を多部署に展開するなどの行為を賞賛する
・成功例やいい話だけではなく、悪い話や過去の失敗談をリーダーが率先して話す

【社員の相互尊重を高めるアクション】
・メンバーの仕事の能力や成果だけを確認するのではなく、「本人の意思や希望」も確認する機会をもつ
・立場やポジションに関係なく、誰もが自分の意見を主張する機会を定期的に設ける

【20代の成長環境を高めるアクション】
・年齢や役職に関係なく、成果や意思に応じて、業務を配分、アサインさせ
・定期的にキャリアディベロップメントの面談を行い、中長期のキャリア戦略を設計する

 さらに詳しくは、新著『OPENNESS  職場の「空気」が結果を決める』に掲載していますが、最後に、冒頭の問いで終わりたいと思います。給与は士気に相関していない。金満主義の人にとって、これは意外すぎる事実でしょうか? と。