さらに公正を期するため、同じ業界に所属するソニーとパナソニックを比較したのが下の図。この2社を見ても、「風通しの良さ」「20代の成長環境」「人事評価の適正感」で差が出ているのがわかります。
ちなみに、「人材の長期育成」や「法令遵守意識」などはマイナスの差が出ているが、前者は期待値が高すぎることが本質的な課題であり(これについては後日、本連載で述べます)、後者は時価総額を減らした10社「だけ」が高いのではなく、両方とも高いため、本質的な差はありません。
オープネスが高い「ユニクロ」「ソフトバンク」「リクルート」
もう少し違う企業も見てみましょう。
というのも、実は先に挙げた20社には、平成の間に大きく時価総額を伸ばした企業の一部(ファーストリテイリング〈ユニクロ〉、ソフトバンクグループ、リクルートホールディングス)が入っていません。理由は、前述の『日本経済新聞』のデータ分析は、平成元年時点で上場している企業だけを対象にしているからです。
そこで、平成元年時点では上場していなかったが、現在、日本の時価総額ランキングトップの常連である企業も別途見ておく必要があります。具体的には、ファーストリテイリング、 ソフトバンクグループ、リクルートホールディングスの3社です。
下の図を見ると、3社に共通して高いのは、次の項目です。つまり、20社とほぼ同じ傾向が読み取れます。
・風通しの良さ
・20代の成長環境
・人事評価の適正感
・社員の士気