ビジネスはマラソンではなくインターバル

仕事をどう捉えるかということも、エネルギーを管理していくうえで興味深いポイントです。「会社で働くことやビジネスを、スポーツに例えるとしたら何ですか?」こう問い掛けられると、多くの日本人は「マラソン」と答えます。

コツコツ、コツコツと長い時間かけてやっていくのだ、と。しかし、グローバルな働き方を見ていると、本来ビジネスは「インターバル」なのだと思います。ダッと走って、ガッと集中してパフォーマンスを出し、パッと力を抜いてリフレッシュする。そんなメリハリこそが大事なのだと。

実際、インターバルの意識を持たずにコツコツ、延々とやっていたら、屈強なスポーツ選手も壊れてしまいます。日本人は仕事をマラソンだと考えてしまうので、うまく力を抜くこともできず、厳しい状況に追いやられてしまうのです。

堪え忍んで頑張って、最後に勝つ、といった仕事の成功イメージを持つ日本人は少なくありません。しかし、インターバルになっていなければ集中力も発揮できず、結果を出せないことが多いのではないでしょうか。

外国人の働き方を見ていると、総労働時間は少ないけれど、とても大事な会議の前など、勝負どころの集中力には大変なものがあります。まさに、ガッとなって、何かが乗り移ったかのようにプッシュする。そして、休むことの重要性をよく知っています。間違っても、ダラダラ働いたりしない。長い時間ずっと仕事をしていると、やればやるほどパフォーマンスもクリエイティビティも落ちていくことがよくわかっているのです。

働き方改革で表面的には変わってきたのかもしれませんが、まだ日本には「粘り強くやることが美徳」という価値観が残っているのではないでしょうか。