『外資系で自分らしく働ける人に一番大切なこと』は著者の宮原伸生さんが、日本企業を飛び出し、ベネトンスポーツ、日本コカ・コーラ、LVMH(モエヘネシー・ディアジオ)、ケロッグ、GSK(グラクソ・スミスクライン)などで、もがきながら見つけた「新しい働き方」を紹介する本です。そのエッセンスをコンパクトに紹介します。
うまくいかない人に共通する「焦り」や「力み」
長く外資系で仕事をしていて、うまくいかない人も数多く見てきました。そういう人には共通項があります。私自身の反省も含めて、ですが。
それは「成功」を求め、報酬やポジションなどを基準に動いてしまうことです。外資は実力主義だからと言いながらこういう考えに陥ってしまう人は、基本的にはうまくいかないケースが多い、ということに気づきました。大きな報酬や急激な昇進を期待して動くのは、特に若い時期にはとても大きなリスクになるのです。
報酬を強く意識しすぎたり、何年以内にどのポジションになるなどと過度に力んだキャリア意識を持つと、それが実現しないと焦ったり、会社とハードな交渉をしたりして、関係がまずくなることが少なくないのです。焦りや力みが、かえって悪いサイクルを生み出してしまう。それでは本人も周りもアンハッピーです。
大事なのは、自分自身に向き合うことです。自分がどう成長するか、どんなことをやってみたいのか。それを考えられる柔軟な心を持つことです。そうすれば、もっと地に足がついた日々を過ごすことができます。
いわゆるプロモーションというのは、自分から売り込むものではなく、誰かが引き上げてくれるものです。しかるべき仕事をしていれば、必ず誰かが見ていてくれる。そのチャンスを待っていればいいのです。